2005年11月06日

社員の犯罪について企業は謝罪すべきか?!
NHK記者放火事件について

20051106syazaikigyou.jpg
なにかおかしい。
何か、ものすごく引っかかってしょうがない。

Yahooの
<NHK記者逮捕>視聴者の不信感に再び火
繋がらない場合は
毎日の元記事

いや、ちょっと待て。NHK関係ないジャン。

たしかに放火犯はNHKの社員だった。
でもNHKが放火犯だったわけじゃない。

記事中の、マスメディア論専門の京都学園大の隅井孝雄(あえて「教授」はつけない)のコメントが奮っている。

職員個人の犯罪とはいえ、NHKの体質が根本的に変わっていないことが温床になっていると思う。

(゚Д゚)ハァ

公共放送としての規律、意識も置き去りにされたままにしかみえない。

(#゚Д゚)脳みそ腐ってんじゃねぇ

仮にも大学教授が、論理もクソもないこのコメントは何だ!

灰だらけネコにはあまりにも変に思えるんだけど、ここまで堂々とやられると、ある日突然、道で見知らぬオジサンに肩をたたかれて、「君が間違ってるんだよ」って笑顔で言われそうな予感がしてくる。コワーイ

そゆわけで、あとでもう少し。書き連ねてみる予定。


■追記した分

今日の午前9時の段階で、ざっと見渡してみたカンジでは、この事件についてその他マスゴミの論調と同じく、鬼のクビでもとったようにNHKをたたいて、受信料問題やらNHK民営化論を叫んでいるブロガーが少なくない。ってゆうか多い。

一個人の放火とNHKを切り離して考察しているまともなブロガーとの比はだいたい10:1ぐらいだ。(灰だらけ猫以上に冷静にツッコミをいれているコチラJiroさんなんかを参照あれ)


■個人と企業

個人の犯罪に伴ってその属していた企業が批判されることを全て否定するわけじゃない。
業務上横領やインサイダー取引、そして公務員の特権的地位を利用した犯罪なんかについてはは、その企業や役所なんかが「監督不行届」で非難されることに筋がとおらないわけじゃない。

それでも、まず第一にたたかれるべきは自然人としての犯罪者個人であって、法人企業ではないはず。
なぜなら法人企業は犯罪の行為上の主体となりえないからだ。

■NHKバッシングの背後にあるもの

今回の放火事件に便乗して、NHKをバッシングしてる個人を分類するなら
1.NHKに入れなかった・入れない不能者のひがみ
2.とにかく弱い立場の存在に圧力を掛けることに血道をあげる恒常的欲求不満分子
3.馬鹿・無知
のだいたいこの三つぐらいなんじゃないかな。
では、そんな彼ら/彼女らの立つ論理とはなんぞや?

たぶんそれは、共同体としての企業って感覚なんだろう。
ゲマインシャフト/ゲゼルシャフトの二分法はさすがに雑すぎるけど、ひとまず企業・会社を家族やら村落共同体ぐらいにしか考えてないんじゃないだろうか。
労働者と資本家が相互の利益を主張して血みどろの泥仕合をしている企業なんていうのものは、確かに現代においてほとんどリアリティはない。でも、その根本的なところで労働者(ヒラリーマン)と資本家(会社側)が別の場所に立っているって観念がないとしたら、そりゃあものすごく危険だと感じる。

あんまし詳しくないんだけど、企業=共同体論が盛んだったころも確かにあった。共同体的性格をもった企業=日本的企業には経済的合理性があるといわれたこともあった。
でもそんなことを言ってた人達の親玉にみたいな青木昌彦先生なんかが、若い頃は「姫岡玲冶」の名でブイブイいわしたブント派(暴力革命バンザイの共産主義者)だったことは有名だ。

「共同体」だから、従業員は企業のいうことを聞かなくちゃいけないし、企業も従業員をちゃんとしつけなくちゃいけない。だから、それができなかったNHKは謝れ!という理屈は、もうなんて言っていいかわかんないくらいヤバイ。

(そもそも犯罪者とその所属集団がセットに論じられる場合は眉唾が少なくない。かつてのユダヤ人差別から911以降のムスリムへのいわれなき迫害行為等)

■このような論理を認めるって事は、つまり

企業に社員を犯罪者にしないように管理せよって言うことになる。企業は学校かよ!ってゆうか、学校だってそこまでする権限はないのに。

さらに極端な例をあげると、社員が政治的デモに参加して逮捕されたら、社員の教育がなってませんですみません、と社長が謝り、社員教育に誠心誠意頑張ります、って言うことになるのだろう。

もし極左アンチIT技術主義政党が誕生して2ch用語禁止法が成立、2chネラーパージが行われるようになったとしたらおまいらみんなクビですよ。

■まとめ

もちろん、NHKの肩を持つわけじゃない。なぜならNHKはこの事件に関係ないんだから。

「仕事のストレスがあった」
んなもん現代人100%にあてはまるわ!ぼけ!

だからNHKは本来「社員が放火?知るか!親引っ張りだせ!」ぐらいの事を言ってもいいのだ。確かに、ああやってすごすごと局長が軽いノリで謝罪するという点には、NHKの病理があるかもしれないけれど。

最後に、20世紀初頭の英国において、自由主義の立場から工場法その他労働者保護関連政策に異を唱えたヒレア・ベロックを引用しておこう。

Aは自分のために井戸を掘ってもらうために、BとDにそれぞれ小麦一袋を与える。三人の当時者はみな、契約に際しリスクを認識しておりそれを受け入れる。(略)
(しかし、工場法の規定によるならば)故意でないとはいえ自由な人間なら責任をとわれたであろう個人的な行為により偶然にDを傷つけたBに対して(被害者の)Dは訴えを起こさず、出来事全体に何の責任もないAが訴えられる。(略)
今やこのすべてにおいて、Aは一市民ではなく何かそれ以上のもの、雇用者であるために彼には特別の義務があり、BとDが市民ではなく何かそれ以下のもの(である。)(略)
何と言いつくろっても、これは奴隷的立法である。

ヒレア・ベロック著 関廣野訳・解説『奴隷の国家』太田出版,2000,p174-176


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posted by 灰だらけ猫 at 09:36| Comment(6) | TrackBack(10) | 時事ねこ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
1.NHKに入れなかった・入れない不能者のひがみ
2.とにかく弱い立場の存在に圧力を掛けることに血道をあげる恒常的欲求不満分子
3.馬鹿・無知

全部違います。
一つは政府よりの偏った報道に疑問を持っているのともう一つは受信料の徴収の仕方に疑問があるからです。

Posted by a at 2005年11月06日 12:09
灰だらけ猫さん、トラックバックありがとうございます。なんか久々にトラバ付いたから嬉しいです。

チョットヘビーなブログですね(^^)。ゆっくり時間があるときに読ませていただきます。

リンク先なども面白そう。
今後ともよろしくお願いいたします。
Posted by つん at 2005年11月06日 12:47
TBありがとう。
こういう問題は難しいですよね。
育ってきた環境が違うからナスがだめだったりセロリが好きだったりするわけで。

いろいろな社員がいろいろな会社に勤めているって言うのはわかるんだけれども、でも、明らかに会社ぐるみの犯罪とかでないのなら、会社の上司が頭を下げるって言うのもいかがなものかと思う。

社員教育に力を入れますって言った所で、教育しなくても、放火をしてはいけないくらいのことは分かっているわけで・・・。

企業としては遺憾に思う程度のコメントでいいと思うのになぁ。
それでは、社会が許さないと思ったのかな?
ちょっとね。どこかおかしいよね。
Posted by and_more at 2005年11月06日 14:23
灰だらけ猫さん、TBありがとうございます。

今回の事件、NHK本体は、とばっちりをくらったようなものですね。
まさか謝罪があるとは思いもよらなかったです。
Posted by bonanza at 2005年11月07日 00:55
>aさん
相当独断と偏見で書いてしまったところがありまして、続きの記事をよんでいただければ、と。

>つんさん、and moreさん

尼崎の列車事故の頃からのギモンを、今回やっと文字にできたってカンジです。
and moreさんの仰るように放火しちゃいけないってことは人間としての前提なわけで。NHKの社員教育っても、多分「NHKの評判落とすような真似すんな!」ってものだろうし・・・

なんなんだろこの流れはってカンジですね。
Posted by 灰だらけ猫 at 2005年11月07日 01:42
TBありがとうございました。
この報道を見て最初に感じたのが『何故会社が謝る?』でした。
JR西の幹部なら多少責任を感じてもらいたいけど、今回の上司たちに何か問題行動があったんでしょうか?何故カメラの前で謝ったのか、それが理解できません・・・
NHKは嫌いですが今回は被害者に思えます。
Posted by よぉこ at 2005年11月07日 09:12
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