2006年05月21日

規制&補助金&怠慢の三点セットそろった農業をさらにシャブ漬けにする案について

小沢先生.jpg
寝てたので直接報道されたのを見たわけじゃないんだけど、ミンス党の小沢先生が対自民の政策案として農政改革を打ち出したらしい。その中身が奮っている
『小沢代表 基本政策に農政改革』(NHKニュース)
この中では、農産物の輸入自由化を進める一方で、食料自給率100%をめざし、生産の規模にかかわらず農家の所得を一定程度保障するなど、農業全体に対する資金面での支援拡充策を盛り込む方向で調整しています。

明日の日経(&散人ブログ)で「あんたバカァ?!」的論評が載ることに100ペリカ。政治がコネクションの多寡じゃなくて政策案で競いあうようになるのは望ましいことなんだろうけど、だからって奇を衒って衆目を集めればいい、というものではないわけです先生。いや、やっぱりこれが小沢先生の限界なのかもしれないけれど。
■やっぱ野菜工場でしょ
無論、食料の自給に関しては安全保障の範疇だから、今みたいに輸入偏重であるのはリスキー。だけど、RIETIの山下一仁氏のコラム「何が食料自給率を低下させるのか」などを読む限り、その回復策がさらなる補助金付けにあるとは考えられないわけで。
逆に経済産業省を通じて、農業の工業化を徹底的に進める方向が経済面でも合理的ではないだろうか。すでに技術的には完成していて、残すは初期コスト削減段階まできている「野菜工場」にはいい年こいてワクテカしてしまう。下手すれば人類史の画期になるもの。

アメリカ・中国・インド・オーストラリアと国土が無駄に広い国々に囲まれて、それでも猫の額みたいな農地で旧態依然の田植えを続けるほうか、それともパソナの地下農場みたく(見学いきたーい)徹底的な機械化と効率化を進めて人類の悲願たる自然条件に左右されない食料の確保目指すか、果たしてどっちが技術立国を名乗るのにふさわしいだろう。もちろん、どちらにせよ基本は政府が介入すべきことではなくて、民間の自助努力を「促す」ものであるべきだけど。

■対自民迎撃体制として考えると
ちょっと古くなるけれど、ってゆうか自党ウェブサイトにリンク切れ多すぎの自民党は「2003年参院選公約」機関紙りぶるの「コラム」を読む限り、やっぱり農業は捨てても農村を切って捨てられない党のようだ。それが政権党ならば口だけの改革を連呼して旧態依然の農村も温存することが可能。そうなると、農村に媚売ってへたれ農民のわずかな票を争奪することは単純に票割れを招くだけじゃないのかな。

だけど、小沢先生だろうと誰だろうと、民主党が最大票田の都市部第三次産業従事者を開拓せずにはいられないなら「公共事業と補助金付けで腐りつづけてきた日本の地方をぶっ壊す!」いったほうがいいとhaidarakenekoは思う。クロヨン問題なんかを含めて、農業従事者への不満・不信は決して小さくないはずだから。
ただし、これが都市部第三次産業vsへたれ地方農民の構図に収まらない、もしくは別の対立軸を想定してのものだとしたら、どうだろうか。
もう一歩進んで考えてみる。過去エントリなんかを持ち出して、論筋がちょと複雑になるけど、要は小沢先生が農村票だけを狙って発言しているわけじゃない場合ですよ。

■やっぱり民社党的なるものが「来る」のか
かつて「愛国」と「分配」を党是とする政党が求められるようになるんじゃないかって予想をした。
民社党復活クル━━━━(´・ω・`)━━━━????? 約束としての愛国分配派再来 その一
民社党とブログと、見切り発車と。
十分検討する材料と力量がなくて、途中で放り出したけれど、最近、若手の社会学者鈴木謙介氏が「ピークを過ぎたネット右翼」と題してこんなことを言っているらしい。
(「不機嫌な日常」さんの転載記事にリンクしています。なお朝日新聞のWebサイト上に記事upされてないとのこと。ちなみにhaidarakenekoは鈴木氏の著作は一冊も拝読しておりませぬ。そっち方面の本はぜんぜん専門外なもので。スマソ。)

社会のメンバーを誰も排除しないための愛国、平等を目指して人々が幅広く連帯するための愛国ーーそのような愛国を機能させるためのきっかけとして今回の愛国心論議を生かせないか、と思う。
 たとえば近年、経済的格差の拡大が言われるが、愛国者なら同胞の貧困は放置できないはずだ。「負け組」や地方を排除するか、同胞として見捨てない道を進むか。自民党の愛国はどちらだろう。またその愛国は外国人を排除するだろうか、しないだろうか。

これ読んで、「愛国」と「分配」が結びつけよう、という話ですよね、と解釈。たぶん無理のない解釈だと思うけれど、その内容の当否と賛否はおくとして、「こういう発言が出てきたかー、しかも朝日、え?読売じゃなくて?!」という感想。そして、あまりにもタイミングが良すぎて、鈴木さんの発言と小沢先生のプランが結びついてしまう。

もしかしたら小沢先生の頭の中には、かつて民社党の(潜在的)支持層までも手中に収めた自由民主党を再建するプランがあるんじゃないだろうか。経歴的にはそのもっとも正統な継承者のお一人のようだし、「私も変わらなければならない」発言が「かつて仲間割れして自民党を弱体化させ、改革を掲げずには選挙に勝てず旧来の支持基盤を満足させられない党にしてしまった私」を反省するものだったとすれば、さもありなん、だ。
自民党を飛び出した人達が作った「新党ナントカ」が秋波を送ったりもしているらしいけれど、それもこういったことを念頭おいてみると、かなり合致しやしないだろうか。
小沢先生が「選挙で勝つ」ことに力を入れる人だというのはよく知られている。「愛国」と「分配」を掲げ選挙で戦うとすれば、確かに農村「保護」というのは的確に当を得ていると思われ。

■まとめ
あんまり推測がすぎると、MMRといわれそうなので今日はここらへんでやめときます。
ただ、以前のエントリでもちょこっと触れたように、その「愛国」と「分配」路線は、haidarakenekoの個人的な思想信条として相容れないだけじゃなくて、国際政治経済的にも危うい方向に行きやすいんじゃないかと考えられる。ひとまずお隣の左派政権を傍証としておくけれど、歴史を鑑みればいくらでも例はあげられる。

政策本位の政治というのは、あくまでもその政策そのものの公益と現実性を「よき市民」が熟慮の上判定する、という前提でしか成り立たない。ただしそれが必ずしも選挙に勝てる政策ではなく、将来世代のために現世代に負担をしいる政策案である場合もある。
目先の利権を保守することに長けた人達を靡かせるのは、たぶん困難に真正面から向き合うよりたやすいんだろう。でも、与党ならまだしも野党がそういった政治を目指す姿をhaidarakenekoは目にしたいとは思わないんですね。
posted by 灰だらけ猫 at 17:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 時事ねこ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。